改修、素敵です!

先代から引き継がれた、しっかりと造られた田舎建ちの木造住宅でした。何十年経ても木製建具がするすると開け閉めできるような、メンテナンスもしっかりされた建物でした。当初は、ここにお住まいであった家族はそれぞれの世帯で町の外にお住まいで、隣接した事業所のレセプション用のスペースとして建物の解体とスペースの新築を検討されていました。ところが、ご相談をお受けした時に、いかにこの建物が大切にされてきたかということを見て感じ、そのまま改修されてはいかがですか、とご提案させていただきました。思い入れのある場所を大切にして新しい命を吹き込み、感動を体験できるレセプションホールとすることに共感をいただき、改修という方法をとらせていただくことになりました。

昔ながらの大きな建物です、全てに手を入れると大きな費用もかかります。費用対効果にも配慮し、メリハリのある空間を作ることを目指しました。

まずは起工式、必要な解体を済ませて、本工事のスタートです。

解体しながらもアイディアを練り、施主からの提案もじっくりと検討させていただきました。現場では常に「伝えること」、効果的に「伝えること」が求められます。お施主さまとイメージを共有するためには、スケッチが欠かせません。コンピュータグラフィクスを使ったり、手書きで作ったりします。これは、現場に入っていただく職人さんにもダイレクトに伝えやすいのです。

現場が進むにつれ、イメージしていた空間がカタチになっていきます。

ワインを愛してやまない施主から、テーマのひとつとして「天と地の恵み」という言葉をいただきました。降り注ぐ陽の光、それをしっかりと受け止める重厚な大地。そこで育つ葡萄からの神の一雫。その雫とともに凝縮された時間を受け止めることができる場所、そこに集まる喜びを共有できるテーブル。吹き抜けからは柔らかな光が落ち、厚く広々としたブビンガのゆったりしたカウンター、その奥の正面に置かれたワインセラーの横には、「天と地の恵み」をテーマとした襖絵を水墨画家 濱中応彦氏に依頼し制作していただくことができました。

常にお施主さまに意見を伺い、一緒に現場の仕事を大切にさせていただくことで、満足度の高いプロジェクトとなりました。

最後の仕上げはアプローチです。植栽についても、スケッチでご相談し、ご了解いただいた上で植木を選んでいただくことができました。

今回の仕事は、ひとことで言うと「感動を潜めた非日常を傍らに置き、そこであっけらかんと日常を過ごしていただける場所」をつくらせていただいたように思います。しっかりとした伝統的な日本家屋のポテンシャルも再確認できました。

改修、素敵です!